シファ病院近くに露出したトンネルのシャフト、CNNが現地で目撃したもの
ガザ市に入れば、戦闘の音が聞こえてくるだろうと予想していた。しかし、代わりに耳にしたのはほとんど完全な静寂だった。病院にいた約45分間で一度だけ遠くから小銃の発砲音が聞こえたが、街の真ん中では、それがどのくらいの距離なのかはわからなかった。それ以外の時間は、静寂のために暗闇からより圧迫を感じた。
露出したシャフトまでの最後の数メートルを歩いたときは、真夜中に近かった。イスラエル軍は、ハマスが指揮統制拠点を含む、地下のテロのためのインフラを隠すために、地上の病院を利用しているという「具体的な証拠」を約束していた。
イスラエル軍は数日前、病院内で発見されたとする武器や弾薬を含む証拠の第1弾を発表した。しかし、その写真は、ハマスが地下に施設を持っていたことを証明するにはほど遠く、CNNの調査によれば、銃器のいくつかは移動されていた。
翌日になってシャフトが発見されたが、地下への何らかの入り口があることが示されており、より説得力があった。しかし、それでも、それが何なのか、どこまで続いているのかは不明だった。これこそが、誰もが理解しようとしていることだった。
シャフトの端に立つと、その構造自体が相当な大きさであることがわかった。上部には、はしごの残骸が開口部の縁にぶら下がっていた。丸いシャフトの中央にはらせん階段の中心部のようなセンターポールがあった。ヘッドランプのわずかな光では見えないほど、シャフトは下に延びていた。
イスラエル軍が公開したシャフト内部からの映像には、開口部の上からは見えなかったものが映っていた。動画にはコンクリートのトンネルへと続くらせん階段が映っている。イスラエル軍によれば、シャフトは約10メートル下にまで延びており、トンネルは55メートル続いている。トンネルの先には小さな窓のついた金属製の扉が立っている。
イスラエル軍のハガリ報道官は、「我々は発見した地下施設を破壊する必要がある」と述べた。ハガリ報道官は、施設を発見して破壊することでハマス指導部は大きな圧力を感じだろうと指摘。時間はかかるが、安全に実行すると述べた。
今回のシャフトは、病院の地下にトンネル網が存在する可能性があるとしてイスラエル軍が提示した証拠の中で恐らく最も説得力のあるものだ。シファ病院の下にハマスの司令部があることを疑問の余地なく証明するものではないものの、地下にトンネルがあるのは明らかだ。そのトンネルが何につながっているかを確認することが極めて重要だ。
イスラエルにとっては、これ以上ない賭けとなる。イスラエルは、ハマスがシファ病院の地下にテロのためのインフラを構築していると、数週間前から公言してきた。国際的な批判が高まるなかで、イスラエルが戦争を継続できるかどうかは、この点を証明できるかどうかに大きくかかっている。
ハマスは、シファ病院の地下にトンネル網があるとの指摘を繰り返し否定している。CNNの取材に応じた保健当局者も同様に、シファ病院は単なる医療施設だと主張している。
イスラエルとハマスとの紛争ではめったにないことだが、この答えについては本当に、白か黒だ。病院の下に一連の地下トンネルはあるのか。あるいはないのか。