シファ病院から重症の新生児31人退避 全員が重い感染症
(CNN) 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日、イスラエル軍が先週突入したパレスチナ自治区ガザ地区北部のシファ病院から、重篤な容体の新生児31人、医療従事者6人とその家族10人を退避させたと発表した。
テドロス氏はX(旧ツイッター)への投稿で、新生児らはガザ地区南部ラファの産科病院に搬送され、新生児集中治療室(NICU)で緊急治療を受けていると報告した。
まだ病院に残っている患者やスタッフについても、安全な通行が保証され次第、搬送する計画を進めているという。
これに先立ち、エジプトの政府当局者もCNNに、シファ病院から新生児が退避したと述べていた。
パレスチナ赤新月社は、救急車チームがWHOや国連人道問題調整事務所(OCHA)と協力して退避を支援したと発表した。
WHOは同日、産科病院の医師団の話として、新生児が全員、重い感染症にかかっていることを明らかにした。このうち11人は重体だという。
WHOによれば、シファ病院で医療用品が不足し、感染症対策を維持することが困難になっていたのが原因とされる。
産科病院の医師はCNNとのインタビューで、新生児全員に検査や症状に応じた投薬を続けているが、ガザへの燃料供給が停止したままではいつ電気が止まるか分からず、容体が悪化する恐れもあると指摘した。
WHOによると新生児の父母らも一緒に退避させる予定だったが、戦闘のために家族がなかなか見つからず、同行できたのはごく少数にとどまった。