ガザで飢餓と感染症まん延「避けられず」 国連人権トップ
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で燃料などの物資が不足する中、国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官は16日、ガザでの「感染症の大流行と飢餓は避けられない模様だ」と警告した。
先週、中東を視察したトゥルク氏は、燃料の完全な枯渇は「ガザ全域に壊滅的な被害をもたらす。上下水道や極めて重要な医療福祉サービスが完全に崩壊し、これまで細々と続けられてきた人道支援も提供できない」と危機感を示した。
国連児童基金(UNICEF)は14日、ガザで脱水症の患者が増え、3万人以上が下痢の症状を訴えていると明らかにした。
トゥルク氏はまた、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区におけるパレスチナ人に対する暴力の激化とひどい差別も指摘。特にガザにおける暴力の抑制を求める呼びかけは無視されてきたと述べた。
同氏は「人道的な価値観に対する最も基本的な尊重が崩壊している。これほど多くの民間人が殺されたことを、戦争の巻き添え被害として片付けることはできない。このような戦争の唯一の勝者は過激主義とさらなる過激主義だろう」と指摘した。