オランダ議会下院選、極右の自由党が予想外の勝利 連立政権樹立目指す
(CNN) オランダで22日に行われた議会下院の選挙は、反欧州連合(EU)を掲げる極右のポピュリスト政治家、へルト・ウィルダース氏が党首を務める自由党が予想外の勝利を収める見通しとなった。国内に衝撃が走ったほか、欧州や他の地域に影響が波及する可能性もある。
開票率98%時点での集計に基づく暫定結果によれば、自由党は37議席を獲得し、下院の第1党となる見通し。公共放送NOSが報じた。
労働党とグリーンレフトによる左派連合が25議席で2位。以下、政界引退を表明しているルッテ首相率いる保守派の自由民主党(VVD)が24議席、中道右派の新社会契約党(NSC)が20議席で続く。
ウィルダース氏と支持者らは、22日夜にソーシャルメディアに投稿した動画の中で結果を歓迎した。
同氏は今後連立政権の樹立に着手することとなるが、手続きが難航して数カ月かかかる可能性もある。
有権者を対象とした調査によると、今回の選挙では移民・難民の問題が重要な争点となった。そうした状況はウィルダース氏の党にとっておおむね追い風になったとNOSは伝える。
同氏はオランダが「オランダ人の元に帰ってくる」とし、「津波のように押し寄せる難民と移民は制限されるだろう」との公約を掲げる。
またオランダはウクライナへの武器供与を停止するべきだとも改めて強調。武器は自国を守るために必要だからだと説明している。
22日夜、出口調査の結果を受け、ウィルダース氏は反イスラム的な施策を押し進める考えはないと明言。イスラム教の聖典コーランの禁止やイスラム系の学校の閉鎖などは行わないとした。NOSが明らかにした。
その上で、憲法に従い、連立政権の立ち上げに向けて既に取り組んでいると述べた。