国連、基本的人権の露骨な無視に警告 ガザ情勢

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ガザ南部ラファの破壊された建物のそばで赤ちゃんを抱いて立つパレスチナ人の少年/Mohammed Salem/Reuters

ガザ南部ラファの破壊された建物のそばで赤ちゃんを抱いて立つパレスチナ人の少年/Mohammed Salem/Reuters

(CNN) イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争をめぐり、国連の当局者は、衝突がこれまで多くの人々が避難したパレスチナ自治区ガザ地区の南部にまで拡大したことで、民間人にとって安全な移動先がないという「破局的な」状況に陥ると警告している。

国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は4日、声明で、「ガザでこれ以上破局的なことがおこるはずはないと思うたびに、そうした状況に陥る。人々はまた移動を命じられ、生き残る手段もほとんどなく、次々と不可能な選択を迫られる」と指摘。「このような基本的人権の露骨な無視はやめなければならない」と訴えた。

イスラエル軍は、ハマス追撃のため、ガザ南部に対する空爆を強化。週末には、地上作戦をガザ全域に拡大すると明らかにしていた。

イスラエル軍は4日、ガザ北部で激しい戦闘が続いており、ハマス戦闘員との「接近戦」でイスラエル軍兵士2人が死亡したと明らかにした。

国連のグテーレス事務総長は4日、イスラエル軍に対し、これ以上、民間人を苦しめないよう訴えた。グテーレス氏は「医療従事者や記者、国連職員を含む民間人と民間のインフラは常に保護されなければならない」と指摘。避難指示にもかかわらず、「ガザに安全な場所はどこにもない」と述べた。

パレスチナの民間人はガザの広範囲で避難するよう指示されている。イスラエル軍は、安全ではないと判断した地域の詳細を示すネット上の地図のQRコードを公開した。ガザの通信サービスの被害や電力不足を考えると、警告がどれだけの住民に届いているのかは不明だ。

国連によれば、先週の時点で、推計180万人がガザ内部で避難した。これは人口の約80%に相当する。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長も、イスラエル軍の軍事作戦の拡大を受けて、さらに6万人が過密状態の国連施設に避難していると警告した。

ラザリーニ氏は4日、「避難命令によって、人々がガザの3分の1にも満たない場所に集中することになる。食料や水、避難所、安全が必要だ。南への道は渋滞している」と述べた。ラザリーニ氏によれば、ガザでは水の入手も限られている。

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