イスラエル地上軍、ガザ地区南部に展開 動画を検証
(CNN) イスラエル地上軍がパレスチナ自治区ガザ地区の南部に展開しており、戦車少なくとも1両が活動していることが、現地の様子を捉えた動画から明らかになった。CNNは動画の位置情報を検証した。
イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続く今回の戦争において、ワディ・ガザ(ガザ渓谷)の南でイスラエル国防軍(IDF)の活動が確認されるのは初めてとみられる。
この動画は中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが3日に共有したもので、イスラエル軍の戦車がガザ地区南北をつなぐ幹線道路「サラハディン通り」に展開する様子を捉えている。ガザ地区南部ハンユニスの中心部までの距離は5キロに満たない。
IDFの報道官は3日、地上作戦をガザ地区全域に拡大すると発表していた。
ガザ地区のジャーナリストが撮影し、CNNが内容を検証した別の動画では、ガザ地区南部の町ディルアルバラ近郊に響く銃声が聞こえる。
IDFはX(旧ツイッター)への4日の投稿で、ハンユニス一帯の「サラハディン軸は戦場に当たる」と述べ、「IDFがハンユニス一帯で戦闘、進軍していることから、ハンユニス市の北および東の区域ではサラハディン軸を通る民間人の移動は許されない」と説明した。
戦争開始当初、イスラエル軍はガザ地区北部に住む110万人に南部への即時避難を指示したものの、国連は「不可能」だと指摘していた。
IDFはこれまでのところ、避難したパレスチナ人に対してガザ地区南部から帰還しないよう警告している。独立系研究者が人工衛星画像を分析したところによると、ガザ北部の建物は推定4~5割が損傷しており、民間人の北部帰還には相当な人道的困難が伴うとみられる。