イスラエル、ガザ南部で作戦拡大 ハンユニスに立ち上る煙の動画も
(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区南部での作戦を拡大するなか、10日には南部の最大都市ハンユニスから黒い煙が立ち上る様子が伝えられた。
ロイター通信がライブ配信した動画には、ハンユニスにある医療機関の屋上から見えた濃い煙や、遠くに聞こえる爆発音が収録されていた。
またCNNが位置を確認したSNS上の動画は、ハンユニス市内に鳴り響く激しい銃撃音をとらえていた。
パレスチナ自治政府が運営する通信社WAFAは10日、ハンユニス市内で複数の地区が空爆や砲撃を受け、病院への負荷が強まっていると報じた。
イスラエル軍は同日、ガザ地区で直近24時間にイスラム組織ハマスの通信施設やトンネルなど250カ所以上の標的を攻撃したと発表。ハンユニスでハマス戦闘員との激しい戦闘が続いているとも述べた。
ガザ地区の現状をめぐり、カタールのムハンマド首相は首都ドーハでのフォーラムで、「未曽有の人道危機」だと指摘した。
パレスチナ保健省は10日、ガザ地区の医療関係者からの情報として、ハマスとイスラエルの衝突が始まった10月7日から今月9日までに、イスラエル軍の攻撃で死亡した同地区のパレスチナ人は少なくとも1万7700人に達し、その70%を子どもと女性、高齢者が占めているとする報告書を出した。一方、ハマスが運営するガザ保健省は同日、死者が1万7997人に上ったと発表した。
パレスチナ保健省は同日、自治区ヨルダン川西岸地区でもこれまでに275人が死亡したと報告した。
ブリンケン米国務長官は同日、CNNとのインタビューで、ガザ地区で民間人の保護と人道支援の強化に努める必要性を改めて訴えた。