ガザの惨状に豪雨被害が拍車 医療崩壊、数千の救える命に危機迫る

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大雨により浸水した仮設テント=24日、パレスチナ自治区ガザ地区中部デイルアルバラ/Ashraf Amra/Anadolu/Getty Images

大雨により浸水した仮設テント=24日、パレスチナ自治区ガザ地区中部デイルアルバラ/Ashraf Amra/Anadolu/Getty Images

(CNN) ズボンをまくり上げた男性たちが水浸しの中を歩き、汚水とプラスチックごみの中から仮設テントを引き上げようとしていた。

近くでは幼児たちがごみを玩具にしながら、裸足で濡れた砂の上を歩いている。

パレスチナ自治区ガザ地区の屋外テントで避難生活を続ける数万人のただでさえ過酷な環境に、豪雨被害が拍車をかけている。

ガザ地区中部のデイルアルバラで撮影されたCNNの映像には、24日にかけての豪雨でマットレスや食料、衣類が押し流され、何十人もの人々が所持品を探し回る姿が映っている。

「今日、私たちのテントが水没した」とジャマル・ラマダンさんは語る。「ナイロンが全部吹き飛んだ。雨の下で寝て、みんなずぶぬれになった。子どもたちは水に浸かった。食べ物も飲み物も全部なくなった」

イスラエルの攻撃と包囲はガザ地区の大部分を壊滅させ、医療を崩壊させ、食料と燃料、水不足による人道危機をもたらした。220万人以上のパレスチナ人の間で、飢えと渇き、死を招く疾病が広がっている。

イスラム組織ハマス傘下の保健省によると、イスラエルのガザ攻撃によって殺害されたパレスチナ人は、10月7日以来、少なくとも2万5700人に上る。

この1週間、イスラエル国防軍はガザ中部と南部で攻勢を強め、数百人、数千人が衛生設備も飲料水もない狭い区画への避難を強いられた。

デイルアルバラでCNNの取材に応じたアフマド・レバイさんは、「みんなが寝ていたところ、真夜中にテントが全部水没して目が覚め、自分の子どもたちを運び出した」と話した。

ウム・ムハンマドさんは、子どもたちに着せるものがなくなったと訴え、「子どもたちを水から引き上げた。誰も私たちのことは気にかけない」と訴える。

ガザ地区は気候変動の影響を受けやすい地中海盆地にある。年間の降水量が少なく干ばつが起きやすい一方で、豪雨の頻度が増え、激しさを増している地域もある。地球温暖化に伴い、こうした状況は一層の悪化が予想される。

イスラエル南部とガザ地区の1月の降水量は、平年であれば100ミリ前後。しかし今週は所によって、月間平均に近い雨が1週間で降る可能性がある。イスラエル気象庁によると、気温は今後数日にかけて5~8度下がり、季節外れの寒さが予想される。

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