安置所に運ばれた遺体は5体のみ ロシア軍機墜落でウクライナ指摘
(CNN) ロシア西部で24日に同国軍の輸送機が墜落した事故について、ウクライナ国防省情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官はCNNに、墜落現場から近くの安置所に運ばれた遺体は5体のみであることを示す情報があると明らかにした。輸送機が運んでいた捕虜のウクライナ兵65人が死亡した、とするロシア側の主張に疑問を投げかけるものだ。
大型輸送機「IL(イリューシン)76」が、国境を挟んでウクライナと接するロシアのベルゴロド州に墜落した事故をめぐっては、ロシアとウクライナの説明は大きく異なっている。ロシア側は、輸送機は捕虜交換のためのウクライナ兵を運んでいたと主張。一方、ウクライナ側は、輸送機はウクライナをさらに攻撃するのに使われるミサイルを運んでいたとしている。
だが、ユーソフ氏のコメントは、輸送機がウクライナ兵を運んでいなかったとするウクライナ側の確信の深まりを示している。
ユーソフ氏は安置所に運ばれた遺体の数は輸送機の乗員数と一致すると指摘。「その他の遺体は検知されていない」とも明らかにした。
ロシアは、輸送機に搭乗していた乗員6人と同行要員3人、ウクライナ兵65人の計74人が死亡したと発表した。ロシアの州知事は乗員6人とする人々の名前のリストを投稿していた。
ロシアはこれまでのところ、輸送機にウクライナ兵が搭乗していたとの主張を裏付ける映像などの視認できる証拠を示していない。ロシア国営メディアが流すなどした墜落現場からの映像には、地面に数体の死体が横たわっているように見えるものもあるが、何十人も犠牲となったことを示す映像や写真などはこれまでのところない。
CNNは双方の主張を独自に検証することはできない。