麻酔なしで傷口洗浄、「想像絶する苦しみ」 ガザ支援団体の医師が証言
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で負傷者の治療にあたる人道支援団体メドグローバルの外科医が、鎮静剤なしで患者の傷口を洗浄する対応を強いられている。創設者のジョン・カフラー医師が明らかにした。
カフラー氏によると、同団体は1日に外来患者150~200人の外来患者を受け入れて、傷口の洗浄を行っている。患者の中には顔面に火傷(やけど)を負った子どもたちもいるという。
エジプトのカイロからCNNの取材に応じたカフラー氏は、「そうした洗浄は全て麻酔なしで行われる」「その苦しみは想像を絶する」と語った。
米国人医師のカフラー氏は、ハイチからイエメンに至るまで世界各地で人道支援に携わった経験をもつ。しかしガザは「魂を打ち砕かれるような事態」に陥り、自身がこれまでに目にした中でも「群を抜いて最悪の状況」にあると指摘した。
ガザ南部ハンユニスにあるナセル病院からの報告によると、病院から4~5ブロックの圏内で砲撃が続き、一度に20人から30人、あるいは40人もの負傷者が救急搬送されてくるという。
「病院の部屋は全くない。患者は床や階段、至る所にいる。まさに惨状だ。崩壊しつつあるのではなく、事実上、崩壊している」(カフラー氏)
ガザ南部ラファの病院でも1日に600~700人の患者を診察している。子どもの患者も多く、重い呼吸器疾患が蔓延(まんえん)して、「子どもはひとり残らず飢えている」とカフラー氏。子ども全員が下痢を患っているという。