迫るイスラエルのラファ攻撃 カタールやサウジ、英国が強い懸念
(CNN) パレスチナ自治区ガザ南部のラファに対する地上作戦を計画しているイスラエルに対し、カタールやサウジアラビア、英国などが相次いで懸念を表明している。
カタール外務省は11日、イスラエルのラファに対する地上作戦計画を「最も強い言葉で」非難。包囲されたガザ地区で避難している数十万人にとって最後の逃げ場となっているラファが「人道的大惨事」に陥るとの危機感を示した。
その上で国連安全保障理事会に対し、「イスラエルの占領軍がラファを侵略してジェノサイド(集団殺害)を犯す事態を阻止し、国際法と国際人道法に基づき民間人を守るため」、緊急に行動するよう促した。
イスラエルの爆撃で残骸と化した通りを歩く男性=9日、ラファ/Mohammed Abed/AFP/Getty Images
英国のデービッド・キャメロン外相は10日、イスラエル軍のラファ攻撃に「深い憂慮」を示し、「ガザの人口の半分以上が同地に避難している」とX(旧ツイッター)に投稿。即時戦闘休止と支援提供、人質の解放を優先し、持続可能な恒久的停戦に向けた進展を促した。
欧州連合(EU)外相に当たるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表はXへの投稿で、「EUの複数カ国による警告を繰り返す。イスラエルのラファ攻撃は言語を絶する人道的大惨事を招き、エジプトとの重大な緊張につながる。人質解放に向けた交渉の再開と敵対行為の停止のみが、流血を回避する唯一の道だ」と強調した。
住む家を追われたパレスチナ人が避難するテントに女性や子どもが座る=8日、ラファ/Mohammed Abed/AFP/Getty Images
サウジアラビア外務省は10日に声明を発表し、イスラエルがラファを攻撃すれば「極めて深刻な反動」を招くと警告。パレスチナ人の強制排除を強く非難し、即時停戦を改めて要求した。