脱北者支援の元牧師、未成年者への性的虐待で禁錮5年の刑 韓国
ソウル(CNN) 韓国のソウル中央地裁は先週、脱北者支援で知られる韓国の元牧師、チョン・ギウォン被告が2016年から昨年まで、未成年の脱北者やその子どもたちを性的に虐待していたとして、禁錮5年の刑を言い渡した。
判事は「状況や手段、内容、期間、件数からみて悪質な犯罪だ」と指摘。学校長という絶対的な立場にありながら、10代の青少年に対してわいせつな行為を繰り返していたと述べた。
判決によると、チョン被告の行為は被害者の性的価値観の形成に悪影響を及ぼしたとみられ、被害者らも被告の処罰を望んでいる。
同被告はキリスト教の支援団体「ドゥリハナ」のトップだった。公式サイトによれば、同団体は1999年以降、ソウルにたどり着いた脱北者1000人以上を支援し、北朝鮮の子どもたちを対象としたキリスト教教育の寄宿学校を運営していた。
被告は昨年9月に逮捕、起訴されていた。
禁錮刑のほか、性暴力に関する80時間の治療プログラムを完了するよう指示され、障害児にかかわる団体への勤務を5年間禁止された。
韓国への脱北者の多くは、秘密ルートや隠れ家のネットワークを頼っている。米南北戦争時代に黒人解放を支援した秘密組織「地下鉄道」からヒントを得て韓国の牧師らがつくり、中国に拉致されて性産業で売買される脱北者らの救出に努めてきた。チョン被告とドゥリハナもその一端を担っていた。