ロシア、ウクライナ南部の拠点を掌握と主張 ウクライナは否定
(CNN) ロシアのショイグ国防相は20日、ウクライナ南部ヘルソン州のドニプロ川東岸に位置するクリンキ村について、現時点ではロシア軍が「完全に」掌握していると主張した。
ショイグ氏は、同軍にとってクリンキは「部隊がさらに前進し、展開する」ための「拠点」だとした。
ウクライナ軍の作戦司令部はショイグ氏の主張を否定し、「事実をごまかし、捏造(ねつぞう)している」と指摘。「南部で防衛にあたっている部隊は、敵に多大な損失を与えつつ、陣地を保持し続けている」と説明した。
親ウクライナのブロガーが共有した映像には、ロシア兵らがクリンキで旗を立てた後にその場から逃げる様子が映っており、ショイグ氏の主張とは矛盾しているように見える。
CNNは映像の撮影場所を特定し、戦況を独自に検証することはできなかった。
ロシアの当局者らは昨秋、ウクライナ軍がクリンキに拠点を築いていることに懸念を示していた。
他の戦線に目を向けると、CNNが21日に撮影場所を特定した映像には、ロシア軍が東部ドネツク州マリンカ近くのポビエダ村に旗を立てている様子が映っている。ロシアの軍事ブロガーは、ウクライナ軍が「撤退」し、南に向けて陣地の部隊を再編成していると指摘した。
南部ザポリージャ州の前線では、ロシア軍は数週間にわたってロボティネに向けて北と東に、そしてマラトクマチカに向けて西に進んでいる。
ロシア軍は21日、同地域にいるウクライナ軍に大きな損失を与えたと主張したが、目立った前進には言及しなかった。ウクライナ軍もロシア軍の部隊に大きな損失を与えたと主張した。
CNNは両軍の主張を独自に検証することはできなかった。