トランプ氏はプーチン氏を理解していない、「戦ったことないから」 ウクライナ大統領
ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は27日までに、米国のトランプ前大統領がウクライナ情勢でロシアを支持すれば、米国人に敵対することになると警告した。ロシアによるウクライナへの全面侵攻は3年目に入った。
ゼレンスキー氏はウクライナ首都キーウでCNNの取材に答えた。ゼレンスキー氏は、トランプ氏がロシアのプーチン大統領の側にいることが理解できないとし、「信じられない」と語った。
トランプ氏は、サウスカロライナ州で行われた共和党予備選で勝利し、共和党からの大統領候補指名を勝ち取ろうとしている。トランプ氏は以前、ロシアとウクライナのどちらに勝利してほしいのかについて言及することを避けたことがある。トランプ氏はまた、自身が大統領に選出されれば、1日で戦争を終結させることができると主張している。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏がプーチン氏の目標を理解していないと思うと述べた。
ゼレンスキー氏は「ドナルド・トランプ氏がプーチン氏を知らないと思う」と述べた。ゼレンスキー氏は、両者が会談したことがあるのは知っているとしたうえで、「しかし、トランプ氏はプーチン氏と戦ったことがない。米軍はロシア軍と戦ったことがない、一度も。わたしのほうが、より理解している」と語った。
ゼレンスキー氏は、プーチン氏が決して戦争をやめないことをトランプ氏が理解していないと指摘した。
今回のインタビューは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから丸2年となる週末に行われた。ウクライナ政府はさまざまな方面で苦境に直面している。
ウクライナ軍は今月に入り、およそ10年にわたって保持していた東部の要衝アウジーイウカから部隊を撤退させた。ウクライナにとって大きな敗北だった。
ゼレンスキー氏やウクライナ当局者、西側諸国の当局者によれば、アウジーイウカを失ったのは防衛に必要な十分な弾薬がなかったためだ。
米議会下院では、バイデン大統領が進めるウクライナのための600億ドル(約9兆円)規模の軍事支援について協議が進んでいない。
ゼレンスキー氏は、米国からの支援がなければ、戦場での新たな領土奪還に苦慮するだけでなく、今年ウクライナの防衛を維持することも難しくなるとの認識を示した。
ゼレンスキー氏は、新たに軍総司令官に起用されたオレクサンドル・シルスキー氏が次に何をするかの計画で2つのバージョンを練っていると説明。米国からの支援が得られればロシアに対する反攻を始めることができるが、支援が得られなければ、防衛だけに集中しなければならなくなると述べた。