ロシア軍司令官2人に逮捕状、ウクライナの戦争犯罪で 国際刑事裁判所
(CNN) オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は5日、ロシア軍司令官2人について、ウクライナの民間人に対する戦争犯罪に関与したとして逮捕状を出した。
逮捕状が出されたのはロシア軍のセルゲイ・コビラシュ司令官と、海軍の黒海艦隊を指揮するビクトル・ソコロフ司令官。国際刑事裁判所によると、2人は民間人に対する攻撃を指示して過剰な損害を生じさせたとされ、戦争犯罪や人道に対する罪に問われている。
具体的には、ロシア軍がウクライナの各地で行った発電所や変電所に対する攻撃を挙げた。
ICCは昨年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領らがウクライナからロシアへの子ども連れ去りにかかわったとして逮捕状を出している。ロシア軍の司令官に対して逮捕状を出したのは初めて。
ソコロフ司令官は2022年8月以来、クリミア半島に展開する黒海艦隊を指揮している。ウクライナは昨年、クリミア半島を攻撃してソコロフ司令官を殺害したと主張したが、わずか数日後、インタビューに応じるソコロフ司令官の動画が公開された。
ロシアは米国やウクライナ、中国などと同様に、国際刑事裁判所に加盟していない。同裁判所は欠席裁判を行っていないため、ロシア人に対する逮捕状が出されても、ロシア政府が身柄を引き渡すかロシア国外で逮捕されない限り、裁判にかけられることはない。
ロシアは一貫して戦争犯罪を否定している。