インド人出稼ぎ労働者の肌の色や宗教に言及、台湾労働部長の発言が物議
ニューデリー/香港(CNN) 台湾の許銘春労働部長(労働相)が、インドからの出稼ぎ労働者受け入れに関連して肌の色や宗教、食事に言及した発言で非難の的になっている。
許氏は先週、ヤフーTVのインタビューの中で出稼ぎ労働者の募集について説明し、インド北東部の人たちは「肌の色や食事が我々と似ている」と発言。「しかも、その地域の人たちはほとんどがキリスト教徒だ。製造、農業、建設といった分野にも非常にたけている」と語った。
人口の高齢化が進む台湾では労働力不足が大きな問題となっており、インドと台湾は先月、インドから台湾への出稼ぎ労働者受け入れに関する合意文書に調印。許氏はインタビューの中でこの合意に関する質問に答えていた。
人口が世界最多のインドは文化や宗教、民族の多様性で知られる。北東部は中国、バングラデシュ、ミャンマーと国境を接し、国内のほかの地域に比べると東アジアの国々に近く見えるかもしれない。
許氏の発言に対しては台湾の与野党双方から批判が噴出した。
台湾外交部は4日に謝罪の声明を発表し、「採用条件を満たし、業界の需要に応えてくれるインド人労働者は、民族的背景とは関係なく歓迎する」と強調した。
労働部も、許氏の「同じような肌の色」という発言に差別的な意図はなかったとして改めて謝罪。「台湾はインドの多様かつ豊かな文化を尊重し、将来的にはそれを基盤として、双方の労働協力を促進させる」と表明した。