ブラジル前大統領、軍首脳にクーデター計画示す 裁判所文書
サンパウロ(CNN) ブラジルのボルソナーロ前大統領が2022年10月の大統領選で敗れた後、当時の軍指導者にクーデターの計画を示していたことが新たに公表された裁判所文書で17日までにわかった。
同国の最高裁判所が15日、陸軍や空軍の両元司令官の証言が盛り込まれた文書を連邦警察に提示した。前大統領は22年12月7日、首都ブラジリアにある大統領府で持った会合でこのクーデター計画を持ちかけたとされる。
これに対し両元司令官は政権の延命を図るこの計画に加わることを拒否し、ボルソナーロ氏を逮捕するとも警告したという。
前大統領は今年2月初旬、連邦警察が進めるクーデター未遂疑惑の捜査の一環として自らの旅券が没収されてもいた。クーデター疑惑への関与については否定している。
最近ではサンパウロで多数の支持者を動員し、民主的な法治を防衛するためとする大規模集会を開いてもいた。
昨年にはブラジルの選挙高等裁判所が、22年の大統領選での権力の乱用や公共メディアの悪用を理由にボルソナーロ氏の被選挙権を2030年まで停止する決定を下した。
22年の大統領選で前大統領は左派系のルラ現大統領に小差で敗北。これに反発した前大統領の支持者は翌年の1月8日、暴徒化してブラジリアにある政府省庁などを襲撃してもいた。ボルソナーロ氏は首都での暴力扇動の行為は打ち消している。