北朝鮮がミサイル発射、中距離弾か 韓国総選挙を前に
ソウル(CNN) 韓国当局者らによると、北朝鮮は2日、中距離弾道ミサイルとみられる1発を発射した。韓国では10日に尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の中間評価と位置付けられる総選挙が予定されている。
北朝鮮はミサイル発射についてコメントを出していない。
北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は3月19日、新型の中距離極超音速ミサイルに使う固体燃料エンジンの実験を実施したと伝えていた。
金正恩(キムジョンウン)総書記は実験の後、中距離弾道ミサイル(IRBM)システムの開発は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同様、北朝鮮の安全保障にとって重要だと強調した。
北朝鮮はこれまでに、敵のミサイル防衛網をすり抜けて滑空できる極超音速滑空体(HGV)の実験を行ったとも発表している。
同時に米韓の軍事演習に対抗する形で、韓国の首都ソウルを射程に収める長距離砲や多連装ロケット砲の訓練を繰り返してきた。
韓国では総選挙を前に、保守系与党「国民の力」が革新系の最大野党「共に民主党」に大きく引き離されている。与党の敗北は尹政権への打撃となる。尹氏は米国との軍事協力を強化し、日本との関係を重視する姿勢を示してきた。
アナリストらによれば、韓国の国民は医療改革や経済政策などの国内問題に注目していることから、北朝鮮のミサイル発射が総選挙に大きく影響する可能性は低い。
10日には米ワシントンで、バイデン大統領と日本の岸田文雄首相、フィリピンのマルコス大統領による首脳会談が開かれ、対北朝鮮政策も議題になる見通し。
一方、北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外相は先週、岸田氏が近く正恩氏と会談するとの臆測を否定した。