トルコ統一地方選 エルドアン大統領の与党に打撃、大都市で野党が勝利
イスタンブール(CNN) 中東トルコで3月31日、統一地方選の投開票が行われ、エルドアン大統領(70)率いる政権与党「公正発展党(AKP)」はイスタンブールや首都アンカラなどの大都市で野党候補に敗れた。エルドアン氏にとっては大きな打撃となった。
トルコ全土で、市長や区長、地元当局者の選挙が行われた。任期は5年。エルドアン氏が率いるAKPが選挙で敗北するのは、AKPが2002年に政界に進出して以降で初めて。これまでAKPの地盤とみなされていた地域も失った。
トルコの選挙管理委員会によれば、暫定の公式結果では、81県のうち35県で野党「共和人民党(CHP)」が勝利した。都市部の30県では14県でCHPが勝利を収めた。
国営放送TRTによれば、イスタンブールの市長選は、開票率99.8%の時点の非公式な結果では、エルドアン氏の主要な政敵であるエクレム・イマモール氏(53)が51.1%の得票で再選を果たした。全国的にみても、CHPの得票率は37.7%と最多だった。
アンカラでもCHPの現職候補が60.4%の得票を得た。
イマモール氏は31日夜、イスタンブールで、歓声を上げる人たちに対し、「1人の男が統治する時代は今日で終わった」と述べた。
イスタンブールにあるオジェギン大学のムラト・ソマー教授は、今回の選挙結果について、エルドアン氏にとっての「最大の敗北」だと指摘。ソマー氏は、議席数だけではなく、エルドアン氏がAKPを選挙で勝たせるためにあらゆる国家権力を行使したからだと説明した。
エルドアン氏にとって、イスタンブールは戦略的にも自身にとっても重要な位置を占めており、今回の選挙戦では奪還を目指していた。イスタンブールは25年にわたり、イスラム主義寄りの政党によって運営されていた。最初はエルドアン氏も党員だった「福祉党」、その後はAKPが支配したが、2019年の市長選ではCHPのイマモール氏が勝利していた。
AKPはイスタンブールでは10地区で対立候補に敗北した。エルドアン氏の出身地であるベイオール地区でもCHPの候補者に敗北した。