中国の習主席、軍を再編 将来戦に「戦って勝利する」方法再考

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中国軍が習氏の直接支配の強化につながる再編を行った/Ludovic Marin/AFP/Getty Images

中国軍が習氏の直接支配の強化につながる再編を行った/Ludovic Marin/AFP/Getty Images

香港(CNN) 中国はこのほど、ここ10年近くで最大となる軍の組織再編を発表した。米中が地政学的緊張の高まる東アジア地域で軍事覇権を争う中、現代戦への備えを持つテクノロジー主導の戦略部隊を重視する姿勢を打ち出した。

中国の習近平(シーチンピン)国家主席は先週、軍の抜本的再編の一環として、人民解放軍(PLA)の持つ宇宙戦やサイバー戦、電子戦、心理戦の諸能力を統合する目的で2015年に創設した戦略支援部隊(SSF)を廃止する意外な動きに出た。

代替部隊として情報支援部隊を創設。これについて習氏は、「PLAの新たな戦略部門であり、ネットワーク情報システムの調整された構築と応用を支えるものだ」と説明した。

習氏は19日の式典で、新部隊は「現代戦に戦って勝利する」ことを支援する重要な役割を担うとも述べた。

中国国防省の報道官は同日の記者会見で、SSFが情報支援部隊と航空宇宙部隊、サイバースペース部隊の3部隊に分かれ、それぞれ中央軍事委員会の直接の指揮下に入ることを示唆したとみられる発言を行った。中央軍事委は習氏をトップとする軍の指揮命令系統の最高位に位置する機関。

軍の呉謙報道官によると、新たな組織構造では、PLAは陸海空軍およびロケット軍の4軍種と、SSFから派生した3部隊に統合兵たん部隊を加えた4部隊で構成される。

中国軍に関する専門家は今回の再編について、PLAの戦略能力に対する習氏の直接支配を強化するものだと説明。将来の「智能化戦争」に備え人工知能(AI)などの新技術を習得しようとする中国の野心を浮き彫りにしたと指摘している。

今回の組織再編は習氏が昨年実施したPLAの汚職撲滅運動に続く動きとなる。この汚職追放運動は有力将官が対象となり、急拡大する中国の核・弾道ミサイル戦力を管轄するロケット軍の刷新につながった。

情報支援部隊は今後、消滅したSSF出身の有力将官に率いられることになる。

国営新華社通信によると、SSFの副司令官を務めていた畢毅氏は新部隊の司令官に任命され、SSFの政治将校を務めていた人物が情報支援部隊でも同じ役職に就くという。

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