イスラエルの多種多様な対空兵器、イランの攻撃に対抗し投入か

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イスラエルの防衛システム「アイアンドーム」=2022年、イスラエル・アシュケロン/Ariel Schalit/AP/File

イスラエルの防衛システム「アイアンドーム」=2022年、イスラエル・アシュケロン/Ariel Schalit/AP/File

(CNN) イランによるドローン(無人機)やミサイルの攻撃に対抗し投入したとみられるイスラエルの対空兵器は多種多様にわたる。

最も知られているのは同国独自の地上発射型の防空システム「アイアンドーム」だ。襲来するロケット弾やドローンを迎撃する短距離ミサイルで、過去数年にはイスラム組織「ハマス」やレバノンの親イラン組織「ヒズボラ」が発射した数千規模のロケット弾やドローンを撃ち落としてきた戦績を持つ。

イスラエルの製造元「ラファエル・ディフェンス・システムズ」は、標的への命中率は90%とした。

イスラエル軍は先週、アイアンドームの海上防空システム版ともなる「Cドーム」を初めて実戦投入させてもいた。同国南部の紅海付近でイエメンに拠点がある反政府武装組織「フーシ」が放ったドローンの迎撃に成功していた。

ただ、アイアンドームの能力には限界もある。ヒズボラは12日、複数のロケット弾攻撃をイスラエルへ仕掛けたが、一部の着弾を許した。最も優れている性能は、短距離の場所から発射されたミサイル弾などへの対応だからだ。アイアンドームに付設するレーダーの探知範囲は4~70キロ。

この弱みを補い、中長距離用のミサイルやドローンに対抗するのが2017年に導入された防空システム「ダビデ・スリング」となっている。射程は最長300キロまでで、短距離用の弾道ミサイルの迎撃にも使える。

イスラエル軍は同年の配備時に出した声明で、「イランやシリアなど敵対国家がイスラエルへ向けて発射するミサイルに対応可能」とも誇示していた。

イスラエルは、弾道ミサイル迎撃システムの「アロー2」と「アロー3」も保持する。射程は最長2400キロで、アロー3は宇宙空間を飛行する弾道ミサイルを狙うこともできるとしている。

これら国産製の防空システムに加え、米国製の地対空ミサイル「パトリオット」も備えている。射程は最長160キロとされ、あらゆる種類のミサイルへ対応し得るという。ウクライナの戦場ではロシアの極超音速ミサイル迎撃を果たす高性能を見せつけた。

保有する戦闘機も多岐で、F15、F16に最先端のF35などが含まれる。いずれも空対空ミサイルを搭載し、飛来するドローンやミサイルの撃墜も可能となっている。

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