イスラエル包囲の病院で埋められた大量の遺体、国連が独立調査を要求
(CNN) イスラエル軍に攻撃されたパレスチナ自治区ガザ地区の二つの病院から集団で埋められた数百人の遺体が見つかったことを受け、国連が独立した立場からの調査を求めている。
国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官は声明の中で、ナセル病院とシファ病院から伝えられた光景に「戦慄を覚える」と述べ、「独立的、効果的、透明性のある調査」が求められると指摘した。
その上で、「罪を問わない風潮が勝っていることを考えると、国際的な調査官を含める必要がある」「病院は国際人道法に基づき特別な保護の対象となる。民間人や拘束された人、戦闘能力を失った人の意図的な殺害は戦争犯罪にあたる」と強調した。
ガザ南部ハンユニスのナセル病院では、イスラエル軍の撤収後、324人の遺体が集団で埋められているのをガザ民間防衛隊が発見した。
中には手足を縛られた遺体もあったといい、同隊の幹部は「生きたまま埋められたのか、処刑されたのか分からない。ほとんどの遺体は腐敗していた」と話している。
ハンユニス民間防衛隊の広報は、イスラエル軍が今月7日に同地から撤収した後、行方が分からない400人の捜索を行っていることも明らかにした。
イスラエル軍(IDF)は23日、「IDFがパレスチナ人の遺体を埋めたという主張は事実無根」とコメントした。
一方、ガザ北部シファ病院の敷地内や周辺でも今月に入り、集団で埋められた遺体が見つかった。ガザ保健当局は、イスラエル軍がシファ病院を包囲していた2週間の間にパレスチナ人数百人を殺害し、腐敗する遺体を放置したと訴えている。病院の周辺だけでも、少なくとも381人の遺体が収容されている。