「だれもがおびえている」 NPO代表者が見たラファの惨状
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃から逃れようと、100万人以上の避難民が押し寄せた南部ラファでは今、何が起きているのか。現地を訪問したNPOの代表者がCNNとの電話インタビューで惨状を振り返った。
食べ物を探し、空っぽの皿や鍋を手に通りをさまよう子どもたち。立ち並ぶテントの間に汚水が流れ出している。「毎朝、沿岸の軍艦からの銃声で目が覚める。いつ何が自分に命中するか分からない」と話すのは、英医療支援NPO「メディカル・エイド・フォー・パレスチニアンズ(MAP)」を率いるメラニー・ワードさんだ。
ワードさんは今月、ラファを訪れて状況を目の当たりにした。イスラエル軍がラファへの地上作戦を予告するなか、自宅を追われて狭い地域に詰めかけた避難民らは「どこにも逃げ場がなくなる」と恐れていた。
「だれもがおびえている。どうしたらいいのか、どこへ行けばいいのか、事前に警告はあるのか」と、ワードさんは語る。「100万人の避難民がラファからどこへ逃げたらいいのか、私も分からない。分かるはずがない」
国連の専門家は22日、イスラエルの攻撃に対するパレスチナ人の恐怖心は、何年もたってから精神疾患の増加という形で表面化するだろうと指摘した。
ワード氏はCNNに、6カ月以上も続く爆撃や避難、包囲でガザ住民は「完全に疲れ切っている」と指摘。「人々の表情を見ればわかる。遠くを見つめるばかりで、会話に集中できない。本当に気持ちが沈んでいるのだ」「ガザの民が滅ぼされようとしている」と訴えた。