イスラエル軍撤収後の病院で計300人近い遺体を発見 ガザ南部
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の文民保護当局者は22日、イスラエル軍が今月7日に撤収した南部ハンユニスのナセル病院で、中庭の集団埋葬地から新たに73人の遺体が掘り出され、これまでの合計が283人に達したことを明らかにした。
ハンユニスの文民保護責任者がCNNとのインタビューで語ったところによると、一部の遺体は手足を縛られていた。生き埋めにされたのか先に殺害されたのかは不明で、大半の遺体が腐敗しているという。
発掘作業を指揮しているハンユニス文民保護当局の報道官はCNNに、400人が行方不明になっているとの情報があり、3日前から遺体の捜索を続けていると話した。
同病院周辺は1月から2月にかけ、イスラエル軍の激しい攻撃を受けた。CNN特派員らによると、死者の遺体を安全に墓地まで運ぶことができず、1月に遺族らが暫定的に病院敷地内に埋葬した。イスラエル軍の撤収後、その遺体がいったん掘り出され、少なくとも1カ所に集めて埋め直されていたことが分かった。イスラエル軍は遺体の中に人質が含まれていたかどうかを、DNA鑑定で確認したとみられる。
ある男性はCNNに、1月に死亡した息子の遺体を病院内に埋葬してあったが、今も見つからないままだと訴えた。
同時期に兄弟を亡くした別の男性は、2週間前から現場に通い、遺体を捜し続けているという。倒れたヤシの木を指して「遺体をあのわきに埋めたのに見つからない。イスラエル人が掘り出して場所を入れ替えた」と語った。
娘の遺体を10日前から捜していると話す女性もいた。
イスラエル軍は、ガザ地区から数十人の遺体をいったんイスラエル国内へ移し、DNA鑑定後に戻したことを認めている。