ガザ難民キャンプに甚大な被害 イスラエル軍撤収後
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の民間防衛部門は19日までに、イスラエル軍がガザ中部のヌセイラト難民キャンプ周辺で激しい軍事作戦を数日間展開した後に撤収したと明らかにした。撤収後の現地で撮影された映像からは、アパートが立ち並ぶ区画を含め、一帯が激しく破壊されている様子が確認できる。
民間防衛部門によると、がれきの下から複数の遺体を回収したが、さらに作業を進めるには重機が必要だという。
同部門の広報担当者はCNNに、「悲劇的」な状況だと語り、「住宅ビルやインフラなど、大規模に破壊されている」と説明した。
また、軍事作戦中に死傷、あるいは拘束されたか行方不明になった人は約500人にのぼるとの見方を示した。CNNはこの主張を検証することはできない。イスラエル軍にヌセイラトでの軍事作戦の範囲と目的について問い合わせている。
ヌセイラットの市長は、1週間にわたる同軍の攻撃により、「住民は水道や公衆衛生、ごみ収集といった基本的なサービスを利用できなくなった」と明らかにした。
市長によると、車道や井戸、水をくみ上げる発電機、3キロを超える下水道のパイプが破壊された。加えて、燃料が不足し、公用車両も破壊されたことから通りや避難所周辺には約2万トンにのぼるごみや汚物があふれ、害虫問題を引き起こしているという。
市長は「下水処理場に加えて、井戸の稼働に必要なディーゼルが極端に不足している」と窮状を訴えた。