UNRWAに中立性の強化促す、独立調査団が報告書
(CNN) 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のパレスチナ自治区ガザ地区などでの活動の評価作業を進めていた独立調査団は27日までに、中立性を高める努力を促す報告書を発表した。
UNRWAの活動については、イスラエルがガザのイスラム組織「ハマス」とUNRWAの少なくとも12人の職員らとの協力関係を主張。これを受け日米を含む一部諸国がUNRWAへの資金拠出停止に踏み切る事態ともなっていた。
イスラエルは昨年10月7日に起きたハマスによるイスラエルへの大規模奇襲にこの12人が加担していたと指摘。UNRWAが抱える職員約1万3000人のうち約12%が、ハマスあるいはパレスチナの他の武装勢力の構成員との見方も示していた。
フランスのコロナ前外相が率いる独立調査団による今回の報告書は、イスラエル側が指摘したUNRWA職員とハマスとの関係を調べる責務は求められなかったと説明。委ねられたより広範な任務は、UNRWAが中立的な活動を確保する上でできる限りの努力を注いでいるのかの見極めだったと述べた。
その上で、イスラエルはUNRWA職員とハマスとの共闘関係を裏づける証拠をまだ明示していないことにも言及。イスラエルが示した材料は、UNRWAが運用などする一部の学校で使われる教科書の内容の問題点に触れたものだったとした。
報告書はまた、UNRWAの施設は時には政治的かつ軍事的な利益を図るために使われ、中立性を損なうことになったともつけ加えた。
報告書の内容についてイスラエル外務省は問題の深刻さを無視し、ハマスが及ぼす大きな問題に向き合わない表面的な処置で解決しようとしていると非難した。