ニューカレドニア、暴動で非常事態宣言 改憲案のフランス議会採決に抗議
(CNN) 南太平洋の仏領ニューカレドニアで激しい暴動が3日間にわたって続き、フランス政府は15日に非常事態を宣言した。中心都市ヌーメアではデモ隊が軍や警察と衝突し、建物や車が放火されている。
1980年代以来最悪といわれる今回の暴動では、少なくとも4人が死亡した。ヌーメアは夜間外出禁止令が出され、主要空港は民間機の運航を停止。集会や武器の携帯、アルコール飲料の販売も禁止された。
ニューカレドニアではフランスからの独立を訴える先住民カナクと、独立に反対するフランス人住民との対立が激化しており、今回のデモは若者を中心に13日から始まった。
1万7000キロ離れたフランスの議会では、ニューカレドニア憲法を改正してフランス人住民の投票権を拡大する内容の改正案をめぐる採決が行われており、デモ隊はこれに激しく反発。憲法改正案は14日、フランス議会の圧倒的多数で可決された。
警備にあたる憲兵隊=14日、ニューカレドニア・ヌーメア/Theo Rouby/AFP/Getty Images
「この2日間、ニューカレドニアでは30年ぶりの規模の暴動が起きている。30年間の平和の終わりだ」。オーストラリアの元ニューカレドニア総領事、デニース・フィッシャー氏はCNNにそう語り、「カナクの人々が(フランスでの採決に)反対しているのは、自分たち不在のパリで決められてしまうという理由だけでなく、自分たちも交渉に加わりたいという思いがあるからだ」と解説する。
憲法改正案が通過すれば、ニューカレドニア選挙区の有権者は数千人増える。独立派はこれについて、フランスがニューカレドニアに対する支配固めを狙っていると訴える。
フランス内務省は、ニューカレドニアには既に警官や憲兵1800人が配備され、数時間以内に増員の警官500人が到着すると語った。