銃撃受けた首相、手術「成功」 スロバキア
(CNN) 中欧スロバキアのフィツォ首相が銃撃され病院へ搬送された事件で、タラバ副首相はフィツォ氏の手術が「うまくいった」と述べ、「現在は命に関わる状況ではない」と明らかにした。
銃撃事件は15日に同国中部ハンドロバで政府の会合が開かれた後に発生した。現地メディアの報道によると、銃撃犯は首相を出迎えようと会場の外で待っていた人々の中にいた。
銃撃現場をとらえた映像には、職員らが負傷したフィツォ氏を車に乗せ、猛スピードで現場を去る様子が映っている。フィツォ氏は近くの病院に搬送された後、約30キロ離れた外傷センターにヘリで運ばれた。当局によれば、今回の銃撃事件で、ほかに負傷者は出ていない。
国防相や内相は今回の銃撃事件について、「政治的動機」によるものとの見方を示した。
フィツォ氏はスロバキアで最も有力な議員のひとり。職域が制限されている大統領と違って、首相は政府のトップとして意思決定の力を持つ。
チャプトバ大統領によれば、容疑者は警察によって拘束された。
物議を醸すことの多い政治家のフィツォ氏は昨年、驚くべき復活を果たした。フィツォ氏は昨年10月に行われた総選挙で西側諸国を批判する選挙戦を展開して勝利。首相として3期目に入った。フィツォ氏は首相として、外交政策と、それまで強固だったウクライナ支持の方針を大きく転換した。フィツォ氏はウクライナに対する軍事支援を即座に停止すると約束したほか、ウクライナによる北大西洋条約機構(NATO)加盟の動きも阻止するとしている。
フィツォ氏は総選挙に先立ち、ロシア政府への支持を隠すことはなかった。フィツォ氏は、ロシアのプーチン大統領を挑発して侵攻が引き起こされたとして、「ウクライナのナチスとファシスト」を非難し、ロシアが侵攻を正当化するために使った虚偽の話を繰り返した。