準軍事組織が院内で銃撃、救急車など略奪 病院の全活動停止 スーダン
(CNN) アフリカ北東部スーダンの北ダルフール州で武装集団が病院を襲撃し、医療物資を略奪した。医療NGOの国境なき医師団が明らかにした。
国境なき医師団がSNSに投稿した情報によると、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が8日、州都エルファーシルにあるサウス病院を襲撃し、病院内で銃撃して国境なき医師団の救急車などを略奪した。これを受けて同医師団と保健省は、サウス病院での全活動を停止した。
サウス病院はこの地域で唯一、大量の負傷者に対応できる設備があり、戦争の負傷者を治療するための主要紹介病院として機能していた。
エルファーシルで手術ができる病院はサウス病院を含めて二つしかなく、患者は別の病院に転院させているが、そうした病院は大量の患者を受け入れられる態勢にないという。
現時点でサウス病院に残った患者は10人のみで、医療提供態勢も縮小した。同地で戦闘が激化したことを受け、患者は数日前から既に別の病院への移送を始めていた。
患者の大部分と、国境なき医師団のスタッフ全員を含めて同病院に残った医療従事者は無事だという。しかし今回の襲撃による死傷者が出ているかどうかは確認できないとしている。
同病院は5月25日から6月3日にかけても相次ぐ砲撃や銃撃を受け、患者や医療従事者など2人が死亡、14人が負傷していた。
国連によると、エルファーシルでは約180万人が「差し迫った飢餓のリスク」にさらされている。
国際移住機関(IOM)によれば、エルファーシルでは4月1日からRSFと国軍の戦闘が激化して、4月から5月にかけて約13万人が避難民となった。
2023年に戦闘が始まって以来、スーダン全土で880万人以上が避難を強いられ、2480万人が支援を必要としている。