連立政権樹立で合意、30年にわたるANC単独政権に終止符 南ア
(CNN) 南アフリカのアフリカ民族会議(ANC)とその対抗勢力である白人主導の民主同盟(DA)は14日、連立政権を組むことで合意した。30年にわたり単独過半数を占めてきたANCの政治支配に終止符が打たれた。
DAの党首ジョン・スティーンハイゼン氏は声明で、連立政権にはDAとANCのほかにインカタ自由党(IFP)が含まれると説明。6月14日は同国の新たな章の始まりとして歴史に刻まれると述べた。
DAは中道で企業寄りの政党であり、ANCを長年にわたり厳しく批判してきた。
スティーンハイゼン氏は、同党は「団結と協調の精神で南アフリカ共和国を統治する」と意気込みを語った。
先月行われた総選挙ではどの政党も過半数を獲得できなかった。ANCの得票率は40.18%と2019年に行われた前回選挙の57.5%から大幅に落ち込んだ。DAの得票率は21.8%だった。
ジェイコブ・ズマ前大統領が結成した新党、民族の槍(やり)(MK)の得票率は14.59%。ANCのもう一つの分離政党である極左の経済的解放の闘士(EFF)は同9.52%だった。
ANCの幹部はX(旧ツイッター)に「今日は我々が意見の相違を脇に置き、南アフリカ国民全体の向上のために団結する新しい時代の始まりだ」と投稿した。
ニュースサイトであるタイムズライブによると、ANCの党首シリル・ラマポーザ氏はこの合意に基づき大統領を続投する。
ロイター通信によると、連立の報道は市場と投資家に好感され、南アフリカの通貨ランドはドルに対して約0.3%上昇した。