ヒズボラが軍・民間施設映った動画公開 イスラエルは「全面戦争」を警告
ベイルート(CNN) イスラエルは18日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対して「全面戦争」の可能性を警告した。ヒズボラはこれより前、ドローン(無人機)で撮影したとされる9分間の動画を公開したが、その中にはいくつかのイスラエルの都市にある軍や民間の施設が映っていた。
イスラエルのカッツ外相はX(旧ツイッター)への投稿で、「ヒズボラとレバノンに対するゲームのルールを変更する決断を下す瞬間が近づいている。全面戦争になれば、ヒズボラは壊滅し、レバノンはひどく打ち負かされるだろう」と述べた。
映像の一部は昼間に撮影され、イスラエル・ハイファ市の北に位置し、レバノン国境から28キロ離れた人口が多い住宅都市が映っているとされる。映像にはショッピングモールや高層ビルも見える。
動画の別の部分には、ハイファ近郊にあるイスラエルの防衛企業の施設や、ハイファの港にある軍用ボートや船舶、石油備蓄基地が捉えられている。
昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃と、それに続くイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦を受け、ヒズボラとイスラエルとの間では国境を越えた小競り合いが激しさを増しつつある。
カッツ氏は、ハイファでは中国やインドなどの海外の大手企業が操業しているとして、ヒズボラがハイファを攻撃した場合の国際的な影響も強調した。
ヒズボラはイランからの支援を受けており中東では最も強力な民兵組織の一つ。米国やその同盟国は数カ月間にわたり、イスラエルとの紛争を激化させないよう警告している。こうした警告にもかかわらず、ここ数週間で、ヒズボラとイスラエルとの間の緊張が高まっている。
CNNは映像を分析してハイファ周辺のいくつかの場所を特定した。撮影されたものの中には、少なくとも二つの軍事施設など慎重に扱うべき複数の場所が含まれている。
ヒズボラは今回の映像について「第1話」だと主張。さらにイスラエル国内の奥地へと侵入した動画の公開を示唆した。