大規模洪水で動物園のワニやヘビが近隣に漂着　ナイジェリア北東部

アブジャ（ＣＮＮ） 西アフリカ・ナイジェリア北東部ボルノ州がここ数年で最大の洪水被害に見舞われている。同州の州立動物園は１１日、洪水により施設内の野生動物の「８０％以上」が死に、ワニやヘビなどのは虫類を含む動物が近隣に押し流されたと発表した。

州都マイドゥグリでは冠水した道路を歩くダチョウの動画がＳＮＳで拡散している。

ナイジェリアの災害管理当局は１１日、ＣＮＮに対し、人々を危険にさらす恐れがあるため、動物園は動物の捕獲に向け最善を尽くしていると話した。

冠水した動物園の敷地＝１０日、ナイジェリア北部マイドゥグリ/Ahmed Kingimi/Reuters

マイドゥグリの南東２０キロにあるアラウダムが週末に氾濫（はんらん）し、同市では家屋全体が浸水するなど、広い範囲に被害が及んでいる。

国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）は、この洪水はマイドゥグリで過去３０年間に発生したものの中で最悪だと指摘。約２８万人が被災し、約２０万人が避難したと推定している。

冠水した道路＝１０日、ナイジェリア北部マイドゥグリ/Ahmed Kingimi/Reuters

当局はこの洪水による死者は確認していない。

ＣＮＮが入手したナイジェリア災害管理当局の最新データによると、ナイジェリア全土で数週間続いた洪水により、２２９人が死亡、３８万６０００人以上が避難を余儀なくされた。最も洪水の被害が大きかったのはナイジェリア北部。

気候変動に関する政府間パネル（ＩＰＣＣ）は、人為的な気候変動による地球温暖化が進行していることから、ナイジェリアを含むアフリカのほぼ全域で異常な降雨の頻度と強度が増すと予測している。