英高級百貨店「ハロッズ」元オーナーが性的暴行か、元従業員20人超が告発
ロンドン(CNN) 英BBC放送は、ロンドンの高級百貨店「ハロッズ」の元オーナーで昨年死亡したモハメド・アルファイド氏(享年94)が元従業員の女性らに性的暴行を加えていたと報じた。ハロッズ側は19日、アルファイド氏が権力を乱用していたことを認め謝罪した。
BBCの調査報道では、20人を超える元従業員の女性らがアルファイド氏にレイプなどの性的暴行を受けたと主張した。同氏のロンドン市内の高級アパートや、同氏がフランス・パリに所有していたホテルなどで暴行を受けたという。
同氏は1997年にダイアナ元皇太子妃と共に交通事故で死亡したドディ・アルファイド氏の父親。
報道を受けてハロッズ側は声明を出し、元オーナーの行為に「心底愕然(がくぜん)としている」と述べた。権力の乱用による一連の行為があったことや、企業として当時、従業員を守れなかったことを認め、謝罪した。その一方で、「今日のハロッズは、85〜2010年にアルファイド氏が所有し、支配していた組織とは全く異なる」とした。
ハロッズ側はアルファイド氏が権力を乱用していたことを認めた/Mark Richards/Daily Mail/Shutter/Shutterstock
被害を受けた女性らはBBCのインタビューでアルファイド氏による暴行を赤裸々に語った。ある女性は15歳だった08年にハロッズの役員室で暴行を受けたと告白した。警察に届け出たが、同氏は疑惑を否定し、起訴されなかったという。
ハロッズの元マネジャーは、アルファイド氏の女性に対する姿勢は社内で広く知られていたと振り返った。
ハロッズによると、昨年アルファイド氏の過去の性的虐待についての「新たな情報が明るみに出た」という。以降、時間を要する法的手続きを回避し、なるべく早く被害者らの申し立てを解決することを優先してきたとしている。