95歳にテーザー銃使用の警官、過失致死で有罪 豪
ブリスベン(CNN) オーストラリアの介護施設に入所していた95歳の女性に対しスタンガンの一種「テーザー銃」を使用して死亡させた警官が過失致死罪で有罪の評決が言い渡された。陪審員は、女性が刃物を所持していたものの「差し迫った」脅威ではなかったと判断した。
有罪を言い渡されたのはクリスチャン・ホワイト被告。昨年5月、ニューサウスウェールズ州の介護施設から通報があった際に現場を訪れた警官2人のうちのひとりだった。施設の職員は、入所者のひとりが刃物2本を持ち、歩行器を使いながら施設をうろついているとして、助けを求めていた。
事件が発生した老人ホーム/NSW Supreme Court
被害者のクレア・ノーランドさんは認知症を患っていた。自室に戻るよう職員が求めたが拒否し、職員に向かって刃物1本を投げつけた。職員がその後、通報した。
公判によれば、ノーランドさんは警察と救急隊によって事務室へと追い込まれた。ホワイト被告がテーザー銃を使用した際には、ステーキナイフを置くよう指示されたが、これを拒否していた。
証拠として提出されたノーランドさんが所持していたナイフや警察の対応で破けたパジャマの痕
陪審員は数日にわたる審議を経て、ホワイト被告に対し、過失致死罪で有罪の評決を言い渡した。
ホワイト被告は法廷で、同州での標準的な手順で条件としている「暴力的な対立が差し迫っていた」と考えたと述べた。この規則では、「例外的な状況」においてのみ高齢者に対してテーザー銃を使用することができると定めている。
検察は、ホワイト被告のテーザー銃の使用について、「全く不必要」であり、体の弱っている高齢女性に対する過剰な暴力だと主張した。ノーランドさんはテーザー銃で撃たれた後、後ろに倒れて頭部を打ち、1週間後に病院で死亡した。