ホッキョクグマに飛びかかった夫、妻を救って重傷 カナダ
(CNN) カナダ東部オンタリオ州の住宅地にホッキョクグマが出没し、妻を守ろうとした男性がクマに飛びかかって重傷を負った。
地元警察の3日の発表によると、同州フォートセバーンに住む夫婦が現地時間の午前5時ごろ、飼い犬を探すために外出したところ、家の前でホッキョクグマが妻に襲いかかった。
妻は足を滑らせて地面に倒れた。妻を守ろうとホッキョクグマに飛びかかった男性は、今度は自分に向かってきたクマに襲われて腕と両脚に重傷を負った。
警察によると、男性の命に別条はなく、回復が見込めるという。
男性がクマと格闘しているところへ近所の人が銃を持って駆け付け、数発発砲。クマは近くの森に逃げ込み、銃で撃たれた傷のために死んだ。
警察は銃声やクマと思われる目撃情報を受けて現場に出動し、死んだクマを確認した。その後も周辺をパトロールしてほかにクマがいないことを確認している。
警察が地元メディアに語ったところによると、同地でホッキョクグマを見かけることは珍しくないという。人が襲われることはめったにないものの、前例がないわけではないとしている。
フォートセバーンはハドソン湾の近くに位置する。専門家によると、同地のホッキョクグマは海氷の上でアザラシをつかまえて餌にしているが、今年はハドソン湾南部で例年より早く海氷が割れたため、クマが餌を求めて内陸に進出した。
夫婦を襲ったクマは、普通よりもお腹を空かせていたのかもしれないと専門家は推測し、気候変動が原因でクマの行動に影響が出る可能性があるとして、ゴミを放置しないなどの対策を勧告。「もしもホッキョクグマに襲われたら、絶対に死んだふりをしてはいけない。それは迷信だ」と述べ、できる限り戦うよう呼びかけている。