ヨルダン川西岸でイスラエル車両に銃撃、入植者3人死亡 緊張高まる
(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で6日、イスラエル人入植者らを乗せた複数の車両が銃撃を受け、3人が撃たれて死亡した。これを受けて西岸の一部で緊張が高まり、入植者らによるパレスチナ人への襲撃が相次いだ。
イスラエル当局によると、車両への銃撃は西岸地区北部の入植地ケドゥミムを通る幹線道路沿いの村で発生。イスラエルの救急医療機関MDAによれば、1台の車に乗っていた女性2人と、約160メートル離れた車の男性1人が死亡した。またバス運転手が手足や腹部を撃たれるなど、8人が負傷した。
その数時間後にはパレスチナ自治政府の通信社WAFAが、パレスチナ人に対する複数の襲撃事件を報じた。
それによると、イスラエル人入植者らは西岸北部の町で車に放火し、二つの村を襲って民家に石を投げたり、農作物を荒らしたりした。
WAFAは地元住民らの話として、暴力に抵抗しようとした村人たちをイスラエル軍が銃撃したとも伝えた。
現地ではイスラエル軍が部隊を増派し、検問所を追加し、道路を封鎖したり町に進入したりする動きを強めているという。
治安当局者らがWAFAに語ったところによると、入植者らはさらに6日夜、西岸地区の主要都市ラマラの南東で農業関連施設に放火し、同地区南部のベツレヘム近郊でも複数のパレスチナ車両に投石した。
イスラエルのネタニヤフ首相は入植者3人が死亡した銃撃を受け、X(旧ツイッター)上で声明を発表。「憎むべき殺人者たちを見つけ出し、かれらと支援者全員へのうらみを晴らす」と表明した。
イスラエル軍のハレビ参謀総長は現場から、犯人の追跡と同幹線道路の安全確保、テロ作戦の強化を表明した。