ウクライナ、ロシア南西部で北朝鮮兵2人を拘束 ゼレンスキー大統領が発表
キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ロシア南西部クルスク州で北朝鮮兵2人を拘束したと発表した。ロシア軍の戦闘に参加している北朝鮮兵がウクライナ軍に拘束され、生存している例は初めて。
ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)上で、北朝鮮兵2人は負傷しているが命は助かり、ウクライナの首都キーウへ移送されたと報告。負傷した兵士の写真数枚も投稿した。
ウクライナや西側諸国の推定によると、クルスク州には約1万1000人の北朝鮮兵が送り込まれている。ウクライナ軍は昨年8月から同州に越境攻撃を仕掛け、数百平方キロの区域を占領した。
ゼレンスキー氏は2人の拘束について「簡単な任務ではなかった。ロシア軍や北朝鮮軍では通常、北朝鮮が戦闘に関与した形跡を消すために、負傷兵が殺害されるからだ」と説明した。
ウクライナ保安局(SBU)は、拘束した北朝鮮兵とされる2人のビデオを公開した。SBUの報道官はビデオの中で、ウクライナ軍の特殊部隊が9日に1人、パラシュート部隊がもう1人を捕らえ、国際法に沿った適切な環境で拘束していると述べた。
北朝鮮兵が所持していたとされる身分証(画像の一部を加工しています)/Security Service of Ukraine
映像の2人は一部屋の2段ベッドに無言で横たわっている。1人はあごを負傷し、もう1人については、医師が脚の骨折だと話した。SBUは韓国情報当局の協力を得て、韓国語の通訳越しに2人と意思疎通を図っているという。
SBUは、一方の兵士が持っていたとされるロシア名の身分証明書の画像も公開した。
この兵士の話によると、北朝鮮部隊ではロシア軍との訓練がわずか1週間というケースもある。兵士自身はもともと北朝鮮軍に所属し、ロシアには戦闘でなく訓練のために派遣されると思ったと話している。