ウクライナ、自国経由するロシア産天然ガスの欧州輸送を停止 契約失効

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ロシア産天然ガス、ウクライナ経由での欧州供給が停止

(CNN) ロシア産の天然ガスをウクライナ経由で欧州にパイプライン輸送する契約が1日、失効した。これより前にウクライナは国家安全保障の観点からロシアとの契約を更新しない姿勢を示していた。

ベルギーのシンクタンク、ブリューゲルによると、ウクライナ経由は欧州連合(EU)の天然ガス輸入全体の約5%を占め、主にオーストリア、ハンガリー、スロバキアに供給されていた。今後ロシア産を欧州に送るパイプラインはトルコ経由のみとなる。

米調査会社ユーラシア・グループのエネルギー担当責任者によると、契約の失効でガス価格の上昇が予想されるという。ただ、欧州は備えを進めてきており、加えて今冬の寒さがこれまでのところ厳しくないこともあり、以前ロシアが供給を削減した時のような値上がりにはならないと見ている。

ロイター通信が報じたところによると、ウクライナ経由で天然ガスを輸出していたロシア国営ガスプロムは昨年、欧州への輸出減が響き、69億ドル(約1兆800億円)の赤字を計上した。ウクライナは今回の契約失効で年約8億ドルの収入を、ガスプロムは50億ドル近くの売り上げを失うという。

オーストリアのエネルギー相は1日、契約の失効に入念に備えてきたことを明らかにし、エネルギー企業がロシア以外の国からの供給を模索してきたとも述べた。

だがスロバキアのフィツォ首相はウクライナ経由の輸入停止はロシアではなくEUに「極めて大きな」影響を及ぼすと述べたとロイターは報じた。

EUの行政執行機関である欧州委員会(EC)によると、欧州のロシア産天然ガスへの依存度は下がっており、パイプラインでの輸入は2021年に全体の40%超だったのが23年には約8%になった。

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