イスラエル首相、「戦闘再開の権利」を主張 停戦発効前の演説
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は現地時間の18日夜(日本時間19日未明)、イスラム組織ハマスとの停戦発効を数時間後に控えたテレビ演説で、ハマス側が合意を守らない場合は戦闘を再開する権利があると主張した。
ネタニヤフ氏は演説の中で、停戦合意は米国のバイデン大統領、トランプ次期大統領からの協力があって成立したと述べた。
同氏はまた、戦争の目的をすべて達成し、人質を全員帰還させるとの決意を改めて表明。「この合意は第一に戦場の兵士たちの勇気の賜物(たまもの)であり、内外の激しい圧力に屈せず国益を守り抜くという強い姿勢の結果でもある」と強調した。
そのうえで、ハマスが合意を順守しなければイスラエルには戦闘を再開する権利があり、バイデン、トランプ両氏もこの権利を支持していると述べて、両氏に謝意を表明。「戦闘再開の必要があれば、われわれは新たな方法で強力に実行する」と予告した。
ネタニヤフ氏はこの演説で、停戦合意に至った交渉での「三つの基本原則」を説明。一つ目に、第2段階の停戦交渉が決裂した場合、イスラエルが戦闘を再開する権利を挙げた。
二つ目としては、第1段階で生還する人質の人数を昨年5月の時点からほぼ倍増させたとの成果を主張した。第1段階では33人の人質が解放される予定だが、この中に生存者が何人含まれるかは明らかでない。
三つ目には、パレスチナ自治区ガザ周辺の緩衝地帯について、イスラエル側が引き続き全面的に支配するとの原則を挙げた。
同氏は演説に先立ち、解放される人質の名簿をハマスから受け取らない限り、停戦合意を進めることはできないと警告していた。首相の報道官によれば、ハマスの名簿は現地時間の18日午後4時までに届くことになっていた。