アラブ諸国がガザ再建の代替案、米政権は拒否
(CNN) 戦闘終結後のパレスチナ自治区ガザ地区をめぐり、アラブ諸国が新たな再建案を示しているが、トランプ米政権の報道官は4日夜、これを拒否する声明を出した。
再建計画はエジプトが提案し、アラブ連盟の首脳会議で採択された。2030年までに530億ドル(約8兆円)でガザを復興させる案。パレスチナ自治政府がガザ統治に復帰するまでの間、イスラム組織ハマスには暫定的な管理機関への権限委譲を求める。第1段階では不発弾の処理や、5000万トンを超えるがれきの撤去を想定している。
エジプトのシーシ大統領は首脳会議で、パレスチナ国家の樹立なしに真の平和はあり得ないと強調した。
これに対し、米国家安全保障会議(NSC)のヒューズ報道官は声明で「ガザは現在、居住不可能だ。がれきと不発弾だらけの土地で人間的な生活はできない。アラブ案はその現状に対応していない」と主張。トランプ大統領が「ハマスから解放されたガザ」を再建するとした構想を改めて掲げ、「地域に平和と繁栄をもたらすための協議をさらに進めたい」と述べた。
トランプ氏は、ガザ住民を移住させ、同地区を米国が所有してリゾート化する構想を提案している。
ガザではイスラエルとハマスの間で1月に成立した停戦合意が1日に第1段階の期限を迎え、継続が危ぶまれている。
イスラエルは米国が提案したとされる戦闘停止の延長と人質解放を主張し、ガザへの食料や燃料、医薬品の搬入を阻止してハマスに受け入れを迫っている。