イスラエル諜報機関、ハマスによる奇襲の阻止失敗認める
(CNN) イスラエル総保安庁(シンベト)は「任務に失敗し」、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる奇襲を阻止できなかったことを認めた。繰り返し発せられた警戒すべき兆候を見逃していたという。
シンベトのロネン・バー長官は声明を出し、シンベトが奇襲に至る数年間及び奇襲の起きた夜に異なる行動をとっていれば、大勢の人々が殺害される事態は防げたとの見解を示した。その上で、組織のトップとして、この不首尾の責任を一生背負うことになるとの考えを表明した。
4日夜に公表された内部調査の要約によれば、ハマスの奇襲が成功した背景には広範な要因が存在するとシンベトは指摘している。
そのうちの一つは、カタールによる長年にわたるハマスへの資金提供だ。資金提供はイスラエルの承認を得ていたが、イスラエル側はこの措置がハマスの実効支配するパレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸との分断に寄与すると考えていた。
シンベトによると、ハマスが奇襲の準備をしている一連の兆候はつかんでいたものの、当時のシンベトはハマス側に緊張を高める意向はないと判断。計画が能動的脅威と受け止められたことは一度もなかったという。