イスラエル諜報機関、ハマスによる奇襲の阻止失敗認める
内部調査の要約では、ガザにおける「工作員の補充と活動」には重大な溝が生じていた。またガザからの攻撃を察知する任務について、シンベトとイスラエル軍の間で責任の所在も曖昧(あいまい)だったという。
国内政治に絡む要因としては、複数のイスラエルの政治家がエルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」を訪れたことがハマスに奇襲を決断させた理由の一つだとした。この他、奇襲に踏み切るきっかけとなった事象としては、パレスチナ人の囚人の扱いや、国内の結束が揺らぐ現状によってイスラエル社会が弱体化したとの印象を与えたことにも言及した。
当該のハマスの奇襲では、1200人以上が死亡し、251人が人質に取られた。
ネタニヤフ首相の側近らはシンベトを非難。同氏に近いある情報筋は4日、CNNの取材に対して、シンベトの調査は「何一つ疑問に答えていない」とした上で「シンベトの調査の結論は、組織の規模とそのトップによる途方もない失敗及び怠慢に見合う内容ではない」と断じた。