欧州ではしかが急増、1997年以降で最悪 WHO
(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)と世界保健機関(WHO)は13日、欧州で2024年にはしかの症例が急増し、1997年以降で最悪の12万7352例になったと発表した。前年に比べると症例数は倍増している。
感染者は5歳未満の子どもが40%を占めており、2023年にはしかの1回目の予防接種を受けなかった子どもは50万人に上った。
WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は「はしかが復活した。予防接種率が高くなければ健康は保証できない」と危機感を募らせる。
はしかの症例が増えた原因として、コロナ禍で予防接種率が低下したとWHOは指摘。接種率がまだコロナ前の水準に戻らない国が多く、さらなる感染拡大のリスクが増大していると警告する。
24年は欧州の症例数が世界全体の症例数の3分の1を占めた。予防接種率は欧州のほとんどの地域で集団免疫の獲得に必要とされる95%を下回っているという。
特にボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、ルーマニアは深刻な状況にあり、対象となる子どもの23年の予防接種率は80%を下回った。
はしかの予防接種は依然として「このウイルスから身を守るための最善の対策」だとWHOは述べ、接種を受ければ97%以上の確率ではしかに感染しないと強調している。