ライオンが家に侵入、14歳少女死亡 ケニア
(CNN) ケニアの首都ナイロビ郊外の国立公園に隣接する農場で、14歳の少女がライオンに襲われて死亡した。ケニア野生生物局が20日に明らかにした。
同局によれば、現地時間の19日夜、メスのライオンがフェンスを乗り越えて住宅の敷地内に侵入し、家の中に入って少女に襲いかかった。少女がライオンを怒らせた形跡はなかった。
一緒にいた10代子どもの通報でレンジャーや救急隊が駆け付け、血痕をたどってたどり着いた川で、少女の遺体を発見した。
当局はわなを仕掛けるなどして少女を襲ったライオンを捜索している。同時に電気柵の設置や近隣の動物の動きを住民に知らせるAI(人工知能)早期警戒システムなど、安全対策の強化にも努めていると説明した。
ケニアでは18日にも、森で家畜を放牧していた54歳の男性がゾウに襲われて重傷を負い、搬送先の病院で死亡した。
いずれのケースについても当局が調査を続けているが、これまでの調査から、いずれも「生態系に対する圧力の高まりや、野生生物の生息地に対する人間の侵入に関連している」と推定する。
少女を襲ったライオンは、自然界の獲物が減り、国立公園の周辺で人の活動が増えたことによって方向感覚を失ったり、通常の獲物を捕る行動から逸脱したりした可能性がある。
一方、ゾウが男性を襲ったのは、男性が家畜の放牧のため森に足を踏み入れた後だった。「人間の活動が動物の生息域を侵して、衝突の条件を作り出した」と当局者は話している。