ワシントン(CNN) 中東カタールがサウジアラビアなど近隣諸国から外交関係を断絶された問題で、断交のきっかけとなった国営カタール通信の報道がロシアによる偽ニュース工作だった可能性が指摘され、米当局が捜査に乗り出していることが7日までに分かった。捜査状況を知る米国とカタールの当局者が語った。
両国の当局者らによると、米連邦捜査局(FBI)は最近、偽ニュースをめぐるカタール当局の捜査を支援するため、同国へ捜査チームを派遣したという。
カタール通信は先月23日、タミム首長がイランなどを擁護する発言をしたと伝えていた。イランと対立するサウジなどアラブ諸国は、これをきっかけにカタールがテロを支援しているとの非難を一気に強め、断交を発表した。
報道されたタミム氏の発言について、カタール政府は事実に反すると主張してきた。米治安当局が収集した情報によると、ロシアのハッカー組織による偽ニュースだった可能性があるという。
米当局者らによれば、ロシアは米国と同盟諸国の間に亀裂を生じさせようと狙っている可能性がある。カタールには中東地域で最大級の米軍基地がある。
ロシアによる偽ニュース工作などが疑われる活動は最近、フランスやドイツの選挙でもみられた。米捜査当局は、ロシアが昨年の米大統領選でも同様の手段を使ったとの見方を示している。
カタールに対する工作がロシアの犯罪組織による仕業か、あるいは国家機関の活動なのかを、米当局が特定しているかどうかは明らかでない。いずれにせよロシア政府が関知していないわけはない、との指摘もある。