原因不明のウイルス性肺炎、中国・武漢で感染者続出 新型ウイルスか
(CNN) 中国中部の湖北省武漢市で、原因不明のウイルス性肺炎の感染者が続出し、アジアの周辺国や地域が警戒を強めている。当局は、かつて多数の死者を出した重症急性呼吸器症候群(SARS)の再燃の可能性は否定した。
武漢市の衛生当局によると、同市ではこれまでに、原因不明のウイルス性肺炎に感染した症例が59例報告された。うち7人は重体になっており、全員が隔離治療を受けている。死者が出たという報告は入っていない。
世界保健機関(WHO)によると、この肺炎に感染すると主に発熱の症状が出て、多くの患者が呼吸困難を訴え、胸部のX線検査では両方の肺に病変がみられる。
今回の流行は12月下旬に明るみに出て、SARSの再来ではないかという不安が強まった。SARSは2002年に中国で初の症例が報告され、アジア全域でパンデミック(世界的な大流行)を引き起こした。
しかし武漢の当局は5日、今回の症例について、SARSや中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザの可能性は排除されたと発表した。
武漢の当局によれば、ウイルス感染は昨年12月12日~29日にかけて発生。患者の中には市内の海産物市場の従業員が複数含まれるという。
同市場は消毒のため、今年1月1日から閉鎖された。地元メディアによれば、この市場では鳥類やウサギ、ヘビなど生きた動物も販売されていたといい、動物から人にウイルスが感染した可能性もあるとして不安が強まっている。