ロ大統領府が高官級の交渉チーム編成中、ウクライナ巡る米国との直接協議にらみ 情報筋
(CNN) クレムリン(ロシア大統領府)は現在、ウクライナでの戦争終結を念頭に、米国と直接協議するための高官級チームのメンバーを集めている。問題に詳しい複数の情報筋がCNNに明らかにした。
クレムリンが編成するチームのメンバーは現時点で公表されていないが、CNNはそこに政治、諜報(ちょうほう)、経済のトップ級の人物が加わることになると把握している。具体的には最近米国との間で行った囚人の釈放交換で、水面下で重要な役割を果たしたロシア側の当局者が含まれる。
チームの任命に詳しい複数の情報筋によれば、米国とロシアがロシア・ウクライナ間の和平合意締結に取り組む中、プーチン大統領の側近のキリル・ドミトリエフ氏が米国との経済関係の修復に注力する見通しだという。
最近、ドミトリエフ氏は米国のウィトコフ中東特使、サウジアラビアのムハンマド皇太子と緊密に連携し、ロシアで拘束された米国人教師、マーク・フォーゲル氏の釈放を実現した。
西側の制裁対象となっているロシアの政府系ファンドを統括するドミトリエフ氏は、ロシア政界のエリートながらトランプ米大統領への支持を公言。昨年の大統領選でのトランプ氏勝利については、「一般の米国人がバイデン政権による前代未聞の嘘(うそ)と無能、悪意に辟易(へきえき)していることを示すもの」と述べていた。またトランプ氏の勝利が、「ロシアと米国の関係を仕切り直す新たな機会に道を開く」とも付け加えている。
ソ連時代のウクライナで生まれ、米国のハーバード大学とスタンフォード大学で学んだドミトリエフ氏は米コンサルタント会社のマッキンゼーで勤務。米ゴールドマン・サックスでも投資銀行家として働いた。
2022年2月のロシアによるウクライナへの全面侵攻後は米財務省から制裁を受け、プーチン氏並びにその家族と「近しい間柄」にあると認定された。