ロシアの攻撃ドローン、チェルノブイリ原発に激突 放射線レベルは正常 ウクライナ発表
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのドローン(無人機)1機が13日夜、チェルノブイリの破壊された原子力発電所に激突したと述べた。同発電所はベラルーシとの国境近くに位置する。
ウクライナの国家非常事態庁はこの後、環境放射線について正常範囲内に収まっていると述べた。
ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)の投稿で、爆発物の入った弾頭を搭載したロシアの攻撃ドローンが、破壊された4号炉を保護するシェルターに激突したと説明した。
コンクリート製のシェルターは損傷したという。火災も発生したが、ゼレンスキー氏によればこれは消し止められた。放射線レベルは監視が続けられており、現時点で増加はしていないという。初期段階の評価によるシェルターの被害は甚大なものとなっている。
国際原子力機関(IAEA)もX上で、現地時間の14日午前2時前にチェルノブイリに派遣されたチームが原発の4号炉を守る施設から爆発音を聞いたと投稿した。火災も発生したとしている。
IAEAによれば、当該のチームが得た情報ではドローンが施設の屋根に激突したという。
チェルノブイリ原発の4号炉は1986年の事故で爆発し、当時のソ連と欧州の一部地域に放射線を含む雲が広がった。原子炉は後に、コンクリートと鋼鉄でできたシェルターで覆われた。
ウクライナ軍の報告によると、13日夜は合わせて133機のドローンがロシアにより発射された。このうち73機は撃墜され、58機は標的に届かなかった。
ゼレンスキー氏はXで、ウクライナのインフラを狙ったこれらのドローン攻撃に言及。ロシアのプーチン大統領に和平へ向けて交渉するつもりが全くないことの現れだと主張した。
「彼(プーチン氏)はこれからも世界を欺き続けるつもりだ」(ゼレンスキー氏)