ファイザー製の感染防止効果、イスラエルで64%に デルタ株拡大で低下か
(CNN) イスラエル政府は5日、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについて、先月6日時点での感染防止効果が64%と、5月に報告された95.3%から大幅に下がったことを明らかにした。
ただし重症化や入院を防ぐ効果は依然高く、93%としている。5月に英医学誌ランセットで報告された数値は97%だった。
政府は根拠となるデータの詳細に言及していない。5月には英国由来の「アルファ株」が中心だったのに対し、ここ1カ月でインド由来の「デルタ株」が広がった影響とも考えられる。
しかしヘブライ大学の研究チームは別の声明で、デルタ株がワクチンの効果にどの程度影響しているかはまだ分からないと述べた。
米ブラウン大学公衆衛生学部長のアシシ・ジャー博士も、結論を出すのは時期尚早との見方を示した。
イスラエルでは12歳以上の国民全員がファイザー製ワクチンの接種対象となっている。すでに人口の60%以上が接種を完了し、3分の2が少なくとも1回の接種を受けた。このため世界でもいち早く、実社会での効果を測る研究が可能になった。
同国では6月初めに行動制限の大半が解除されたが、デルタ株による感染者が増え、屋内でのマスク着用が再度義務付けられた。変異株の流入を防ぐ対策の責任者が任命され、空港に検査施設を常設する計画が承認されている。
デルタ株に対するワクチンの有効性をめぐっては、英保健当局が最近、入院を防ぐ効果がファイザー製は96%、英アストラゼネカ製も92%と報告していた。
スコットランドで感染防止効果を調べた研究では、ファイザー製がアルファ株に対して92%、デルタ株には79%と報告された。アストラゼネカ製はそれぞれ73%と60%だった。