米控訴裁、たばこの警告義務化に違憲判決

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ワシントン(CNN) 米ワシントンの連邦控訴裁判所は24日、喫煙の危険性を警告する写真をたばこのパッケージに掲載することを政府がたばこメーカーに義務付けるのは違憲との判断を下した。違憲性については判事の間でも見解が分かれたが、写真掲載の義務付けは表現の自由の侵害に当たるとの意見が多数を占めた。これを受け、米食品医薬品局(FDA)は規制の即時見直しを命じられた。

たばこメーカー各社は、それらの警告の掲載には法外な費用がかかる上、パッケージの大部分を占めるためブランドを損なうと主張。裁判では、警告の内容が事実に基づく正確なものか、あるいは単にたばこの使用を思いとどまらせるのが目的かが争点となった。

たばこメーカー側の主張を支持した判事は、「FDAは、写真の警告を掲載することによりFDAが主張する喫煙率の低下という目的が達成できることを証明するデータや、連邦法で求められている実質的証拠を提示できなかった」と述べた。

一方、FDAを支持した判事は、「若い喫煙者や他の消費者に喫煙の健康上のリスクに関する情報を国民に効果的に伝えることは政府の最も重要な関心事」とし、「たばこメーカーが数十年に渡り、これらの危険、特に中毒性の危険を隠し続けてきたことを考えればなおさらだ」と指摘した。

この判決についてFDAや裁判で同法を支持してきた司法省はまだコメントしていないが、3月にオハイオ州シンシナティの連邦控訴裁がFDAを支持する判決を下していることから、FDAは最高裁に上告する可能性もある。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「Business」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]